公益通報窓口

公益通報窓口の設置/内部通報制度の整備についてお悩みではありませんか

公益通報制度(内部通報制度)とは、企業の不正を従業員が発見した際に、その不正について従業員が通報できる制度のことです。

従業員が会社の不正を発見したとします。しかし、それを内部告発するような行為は、状況によっては従業員自身が左遷、最悪の場合解雇という対応をとられるなどといった不利益を被るリスクがあります。そのため、多くの従業員が不正を申告することに躊躇するという環境がありました。

そのような環境をなくし、企業の不正をいち早く発見するための制度が公益通報(内部通報)制度です。

ここでは公益通報制度の内容と目的、実際の制度の整備に必要なプロセスについて林法律事務所の弁護士林宗範が解説いたします。

公益通報制度は、通報者の安全を守るための仕組み

 公益通報制度は、「公益通報者保護法」という法律に基づき、従業員が社内で不正を発見した際に、社内の特別な窓口または社外の窓口に通報することができる制度のことを指します。この法令については2006年に施行されていましたが、2020年に改正され、2022年6月からは従業員301人以上の企業や医療法人、学校法人、その他公益法人等に内部通報制度の整備が義務づけられています。この改正からも、公益通報制度の重要性が年々増していることがうかがえます。

 公益通報制度の主な目的は

通報者が不利益を受けないこと

・企業の不正行為を早期発見し、当該不正に対する調査・是正を行うこと

の2点です。

 この制度において最も重要なポイントは、通報者がきちんと保護されることです。通報者が特定されないようにすることは当然ですが、そもそも通報があったという事実もできる限り保護できるよう、通報によってもたらされた情報の取扱いに細心の注意を払い、適切に管理する体制を整える必要があります。

 しかし、実は「公益通報者保護法」では、具体的にどのように制度を整備するべきかという詳細については定められていません。そのため、実際に整備する際には、各企業で自社の組織体制などを考慮したうえで、独自に社内規定を決める必要があります。

公益通報受付窓口の設置方法

 では実際に公益通報(内部通報)窓口を設置するには、どのようにしたらよいのでしょうか。

内部通報受付窓口の設置には①社内窓口のみの設置②社外窓口のみの設置③社内・社外窓口の併用の3パターンがあります。それぞれについて設置方法を確認していきます。

1.社内窓口のみの設置

 社内窓口の設置は、主に自社整備によって設置していきます。まず初めに取り組まなければいけないのは、社内規定の作成です。内部通報窓口を運用する部署、通報対象となる内容、調査や措置の実施方法、通報者の保護や守秘義務についてなどの規定を、公益通報者保護法に基づいて整備していきます。窓口の設置部署についての規定はありませんが、総務部や人事部などの部署に窓口が設置されることが多いようです。

制度を整えるだけではなく、社内における運用法の指針や利用方法等についても十分に周知し、通報に当たる事案の範囲などについてもきちんと伝達していきます。社内のみで規定を作成することがなかなか難しい場合は、企業法務分野に精通している弁護士などに相談し、サポートを受けながら作成するほうが良いでしょう。

 

2.社外窓口のみの設置

 社外窓口を設置する場合は、外部委託という形になります。法律事務所や窓口の外部委託を行っている企業へ依頼して社外窓口を整備することが一般的です。

 社外窓口の場合、会社の役員などから独立した法律事務所や民間事業者への委託であることから、担当者が知り合いであるというケースは想定しづらいため、公益通報者の匿名での通報が確実という点で、安心して通報できるというメリットがあります。

 また、社外窓口は従業員にきちんと周知を行う必要があります。制度を十全に活用してもらうためにも、従業員への周知はしっかりと行いましょう。

 社外窓口は外部委託になるため費用は掛かりますが、費用をかけてでもサービスを利用するメリットは大きいと言えます。

 

3.社内・社外窓口の併用

 社内窓口・社外窓口を両方設置する方法です。設置する順序に特に決まりはありませんが、多くの企業は社内窓口を設置したのち、社外窓口を設置しています。社内・社外窓口を併用することによって、不祥事や法令違反の通報を受けた際にそれぞれの担当者が協力して調査や是正措置をとることができるため、同様の問題の再発防止につながりやすくなります。

 ここまで、公益通報窓口の3つの設置パターンを説明しましたが、おすすめは③社内・社外窓口の併用です。社内窓口には経営陣からの独立という面や通報後の調査に対する懸念が残ってしまう一方で、社外窓口では社内事情の把握、通報事実の秘匿という点において不安が残ります。従業員の相談先の選択肢を増やすという意味でも、社内窓口と社外窓口の併用をお考えください。

 また、窓口への連絡方法としては電話・メール・文書などが想定できます。できるだけ通報者が通報しやすいような相談形式を各企業の体制に応じて導入するべきでしょう。

公益通報(内部通報)制度についてのお悩みはぜひ当事務所にご相談ください

 公益通報(内部通報)制度を整備することで、社内不正の早期発見、コンプライアンス意識の向上による不正防止などの効果があります。しかし制度を整備するためには、社内規定をきちんと作りこみ、通報があった際の調査や検討の方法などかなり具体的な部分まで決めなければいけません。また、通報者の保護のための情報管理の徹底も必要になります。このような規定を、普段の経営業務と並行して経営者のみで整備していくのは非常に難しい部分があります。

 公益通報(内部通報)制度の整備にお悩みの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。特に企業法務分野の知識が豊富な弁護士に相談することで、自社にとって最も運用しやすい形で制度を整えることが可能です。

 当事務所では企業法務分野の知識を生かし、公益通報制度の整備のための社内規定の作成、社外通報窓口としての対応を行っております。内部通報制度に関してお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

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    Last Updated on 12月 11, 2023 by hayashi-corporatelaw

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