スポンサー契約とは?契約する際の注意点を弁護士が解説

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スポンサー契約とは

一般的にスポンサー契約とは、企業がスポーツ選手やプロスポーツチーム、あるいは大規模なイベントの主催者などの間で交わされる契約を指します。スポンサー企業側は資金や自社製品等を提供する見返りとして、選手が活動する際やイベント開催中に企業の名称や企業ロゴを表示させる、又はイベントに参加する等の活動を行う等を通し、自社ブランドの認知やイメージ向上が可能です。選手側としても、活動に必要な資金や物品の提供を受けられるため、相互にメリットのある契約になっています。

企業側のスポンサー契約のメリット

上述のように、スポンサー契約には企業側、選手側それぞれにメリットがあります。

企業側では、自社製品や自社ブランドの認知度の向上やイメージアップにつなげることができます。実際に選手が使用している姿を、メディアを通して広く周知することで、広告としての機能を果たすこともできますし、イベントに対するスポンサー契約であれば、自社のサービスをイベントの来場者に体験してもらい、ブランド力を強化することも可能です。

スポーツ選手やイベント主催者側としては、選手活動やイベントを進めるための資金面での援助を受けられることが最も大きなメリットと言えます。その他にも企業が提供している製品を使用することやサービスを受けることも可能です。

企業がスポンサー契約を締結する際の注意点

スポンサー契約に関して、よくトラブルになる項目は以下の4点です。

スポンサー料金に関する規定を明確にする

どんな契約においても、金銭に関するトラブルが最も多くなります。スポンサー契約の場合、スポンサー側が資金提供を行い、主催者・選手側がその資金もとに活動を行うことになります。そのため、スポンサー契約を締結する際には必ず金額に関する定めに齟齬がないように注意しましょう。

スポンサーメリットの範囲を定める

スポンサーメリットの範囲を明確にすることも、スポンサー契約を進める上では非常に重要です。

例えば資金提供の代わりに広告の表示が可能、という契約であれば

・大会、チームの名称は利用可能なのか

・選手の写真は広告に使用していいのか

・ロゴは継掲載できるのか

などの確認は必須で必要になってきます。

選手側としても、メリットの範囲を明確にしておくことは大切です。スポンサー企業の製品をできるのか、練習場所が確保されるのか、日常的にスポンサー企業の業務にも従事する必要があるのか、等を確認したうえで契約締結をすすめましょう。

トラブル・違法行為等があった場合の対応について定める

契約締結時には想定されていなかったトラブルや、違法行為・契約違反等が起こった場合には双方にどのような対応をとるのかという点についても、契約締結時にきちんと話し合っておく必要があります。例えば、イベントに関するスポンサー契約であれば、天候不良等でイベントが開催できなかった場合の対応はどうなるのか、スポーツ選手のスポンサー契約であれば、選手がけがをする等、契約途中で協議を引退することになった場合にはどうするのか、といった要件を定めておくことが重要です。

中小企業がスポンサー契約を結ぶべき理由

スポンサー契約というと、大手企業が締結しているイメージが多いかもしれませんが、中小企業でもスポンサー契約によるメリットは十分にあります。

今まで接点がなかった顧客層へのブランド認知拡大

スポンサー契約を結ぶことで、契約締結前と比較すると露出度を増やすことができます。そのため、企業や自社製品・サービスを、宣伝色をあまり出さずに広く知ってもらうことができます。

採用活動におけるブランドイメージ向上

中小企業においては、採用活動も苦労することが少なくありません。スポンサー契約を締結することでブランドを認知してもらいやすくなり、就職活動をする学生等にも良いブランドイメージを与えることができます。

スポンサー企業間での交流

スポンサー契約を結んだ企業同士で交流できる場合もあります。スポンサー契約を通じての新しい人脈の構築やビジネスにおけるマッチングの可能性もあります。

スポンサー契約については林法律事務所までご相談ください

企業におけるスポンサー契約の締結は多くのメリットがありますが、軽い気持ちで締結してしまうと、後々大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。

スポンサー契約についてご検討の方は、林法律事務所までご相談ください。

Last Updated on 9月 24, 2025 by hayashi-corporatelaw